恋の滝のぼり 〜育児と食と脳内と〜

娘の妊娠中から現在までの育児模様と兄になった息子の成長をアラサーのナオさんが雑記もはさみつつゆる〜く綴るブログです。

焼き鳥屋さんになるために生まれてきたようなおじさんのはなし

我が家と私の実家は車で10分くらいの距離にあります。

そんな実家の母から聞いた、馴染みの焼き鳥屋さんのはなしです。

 

実家の行きつけの焼き鳥屋さんは、近所のスーパーの敷地内にある小さいプレハブの建物のようなところで焼いているテイクアウト専門のお店です。

スーパーの駐車場ってよく焼き鳥屋さんがありますよね。

決まった曜日にやってくるような移動式タイプのお店と、常設タイプのお店とありますけど、行きつけのおじさんのお店はバリバリの常設タイプです。

毎週月曜定休です。

 

で、最近は説明するまでもない酷暑じゃないですか。

母はこの暑さですっごく焼き鳥が食べたくなったらしいんです。

でもふと「焼き鳥屋のおじさんはバテないで営業してるのかしら?」と思い電話で問い合わせたらしいんですよ。

そしたらおじさん、普通に「やってますよ〜」って電話に出てくれたので、焼き鳥を注文して夕方取りに行ったんです。

 

『酷暑に小部屋で焼き鳥を焼く』ってなかなか難易度の高いクエストだと思いますよね。

で、取りに行ったとき母も「今日は暑いからお休みかと思いました」とか言うじゃないですか。

そしたらおじさんは「暑かったら暑いで元気なんですよ」と平気な顔をして言うんです...!

ちなみにこのおじさんは私が幼少の頃から既に焼き鳥屋さんなのですが、60歳は超えているよね?というベテランさんなんです...ベテランさんなんですけれども、

「酷暑だよ!?それでも!?」と思った母は俄然興味が湧いたらしく、今までベールに包まれていたおじさんのプライベートを色々と仕入れて帰ってきました。

 

おじさん「私はね、夏場は冷たい飲み物は一切飲まないんです」

 

ちなみに小部屋の中は40℃を超える暑さらしいです。

 

おじさん「ホットコーヒーしか飲みません」

 

目からウロコだぜぇ...!

なんかホラ、理屈では分かってるけどちょっと...ねぇ?

冷たいもの飲んで「プハァ」ってやりたくならないのかしら。

実際に『40℃超えの小部屋でホットコーヒーしか飲まない』って勇気ある行動に思えるのって私だけでしょうか。

たまにモンハンで、暑ーい地域でバテてるときに体力回復しようと思ったのに間違ってホットの飲み物飲んじゃって「あ"あ"あ"あ"ーーー!!!!」ってなるじゃないですか。

自分が飲んだわけじゃないのに、確実に精神的HPが削られるっていう...。

なんかあんな感じに似てる。

寒い地域の冷たい飲み物もまた然りです。

 

そんな私を置き去りにして、おじさんの話は続きます。

 

おじさん「成り立ての焼き鳥の若い人は冷たい2リットルのペットボトル2本とか飲んじゃって、お腹壊したり体調崩したりするんですよねー」

 

おじさん「冷たいものが胃に入ると、体温まで戻すのに体力を使うからそれでバテちゃうんですよ」

 

おじさん「夏バテはしません。むしろ夏は太ります」

 

繰り出されるおじさんの金言に眩暈がします。

母も若干興奮気味に話していました。

分かるよ、母。

私、その場にいたらおじさんが焼き鳥界のレジェンドに見えるもの。

ダメ押しに「夏は太る」って言い切ったおじさん...。
おじさんは、焼き鳥屋さんが天職なんじゃないかと思いました。

 

私もボチボチ健康オタクですけど、この妊娠で冷たいものを飲むと胃がスッとして気持ちいいので温かい飲み物の万能さを忘れていました。

そうだ、私も夏場に白湯とかよく飲んでた...。

おじさんの「胃の中に冷たいものが〜」のくだりにものすごく説得力があったので、私も感化されて今日は温かいよもぎ茶とかを飲んでみました。

確かにちょっと身体に良いことをしている気がする。

飲んだ後ちょっとすると汗が引く、みたいな。

どうなんだろう、何かに騙されているんだろうか。

 

ちょっと最近お疲れ気味な方は、騙されたと思って温かい飲み物を飲んでみてください。

それで身体の調子が良くなったら思い出して下さい。

この日本のスーパーの片隅で、焼き鳥界のレジェンドが、ホットコーヒーをお供に粛々と焼き鳥を焼いていることを...。